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相続が抱えるトラブルの種

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不動産業界の進む方向性 2011/01/31 08:48
  • 納税
  • 相続税
  • 不動産売買
  • 相続
  • 不動産

昨年末に公表された 平成23年税制改正大綱において、相続税の改正が公表されました。(通常国会で成立すれば、2011年4月1日以降に発生する相続について適用となります。)

 

改正のポイントは「基礎控除額の引き下げ」の点に尽きるでしょう。

 

現在の基礎控除額 :「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」

2011年4月1日以降 :「3,000万円+600万円×法定相続人の数」

 

例えば、法定相続人が配偶者+子供2人であった場合、

5,000万円+1,000万円×3=8,000万円 であった基礎控除額が

3,000万円+600万円×3=4,800万円 となります。

 

バブル期の急激な不動産価格の上昇により相続税納税に窮する方が増えたため、基礎控除額の引き上げが行なわれましたが、近年では不動産価格(路線価)の下落もあり、「相続税が発生すのは100件に4件程度」になっていました。

 

今回の基礎控除額の引き下げにより「100件に6~7件の割合で相続税が発生する」という試算になるようです。

 

日本人の資産家の大多数が地主(不動産所有者)である以上、この相続税改正が不動産業業界に与えるインパクトは非常に大きいなものになります。

これまでは “私には相続税は関係ないでしょ” と思っていた人たちが、

“ひょっとして私も相続税が課税されるのかしら” となるからです。

 

そして、この相続に関するトラブルは、今後急激に増加していくものと予想されます。

 

しかし、この相続に関するトラブルは、今回の税制改正によるものというよりも、もっと根本的な相続税の制度設計と、これまでの大都市圏の人口の推移に起因するところが大きいと考えます。

 

元々、1947年の民法改正以前の日本の相続制度は「家長(一般的には本家の長男)が一家の財産をすべて相続する」という『家督相続』でした。

資産の分散を防ぎ、一家の繁栄を守るための武士階級の家族制度に基づいており、愚か者のことを「たわけ者」という語源も、「田を分けて一家を衰退させる罰当りもの」というところから来ているそうです。

 

これが現在では、法定相続人がそれぞれの相続分によって相続できる『均分相続』となっています。

 

分ける財産があればあったでトラブルの種も多いのでしょうが、実際に相続トラブルになるケースが多いのは分ける財産が少ない方、正確に言えば「分けられる財産が少ない方」なのです。

 

大都市圏に住む戦後復興世代の方々には、就職のため地方から出てきた方が多くいらっしゃいます。

都会には親から相続できる土地も無く、マイホームの確保が人生における大きな課題となっていました。

額に汗して働き、定年退職まで働き続けてようやく残せた財産の大部分を自宅(不動産)が占める、というケースは決して少なくありません。

 

その親世代がお亡くなりになり、子供が親の自宅を相続した際、他の金融資産と異なり自宅(不動産)自体を兄弟姉妹間で分割して利用するということは物理的に無理があります。

 

長男家族がその自宅に同居していた、などというケースでは、その自宅を売って現金化するわけにもいきません

 

しかし、均分相続の浸透により、自分の相続分に対する権利を主張される方は非常に多くなっていますし、特定の方が突出して親の介護の負担をしていた…等となると、そもそも均等に分けるということ自体に問題が生じてきます

 

今回の相続税の基礎控除額引き下げにより、不動産価格の高い大都市圏、特に都心周辺で相続税の課税対象者が急増することは間違いありません。

 

相続税の納税義務が発生したが、相続した自宅を売るに売れず、相続税が納税できない、というケースも今後恐らく増えていくでしょう。

 

不動産売買仲介に携わる者としての役割が、より一層求められる時代になっていると感じます。









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中石 輝
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