対象:人事労務・組織
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退職金制度について。 - 悩み解決ナビ
社員8名の小企業を経営しています。 退職金は中退金制度を約20年間続けていましたが、最近事情により退職金を支給しなかった元社員に支払いがされていたことがわかりました。 就業規則に明記されている不始末をした者には退職金を支払わなかったのですが、それは積み立てた退職金を国庫に結果的に返すということと考えていました。機構のほうでそのことを受理しているにもかかわらず、退職したものを捜していたわけです。なんでも国会で審議されて、支払われなかった者を捜しだして規定通り支払うようになったとのことでした。あまり納得できる答えではありませんでした。しかし、このようなことが勝手に行われれば、就業規則で決めたことが正しく行われないことになり、また不公平でもあります。 そこで、中退金をやめて別の方法で退職金を積立たいと思いますが、あまり良いものがありません。 退職金の支給を会社でコントロールできて、中退金ほどではなくとも比較的有利なものはないでしょうか。 よろしくお願いします。
剣道園児さん(福島県/57歳/男性)
回答:2件
「生命保険」 での積立てを一度ご検討されてはいかがでしょう?
■ 中退共制度の現状
剣道園児さんの会社のように中退共で退職金の積み立てをされている中小企業は多く、実際剣道園児さんのような声 (不始末をした者にも退職金が満額支払われてしまう不合理) は非常に多く聞かれ、事実これが中退共制度のデメリットの一つとされています。
残念ながら、現行の中退共は、制度上会社が掛け金を支払った時点でその積立金は会社から離れ、機構でこれが運用され、従業員の退職時には機構から 「直接」 退職者に対し退職金が支払われる仕組みとなっているため、会社が就業規則などで、不始末をした従業員に対する退職金の減額・不支給規定を定めていたとしても、これが機能せず、お話のようにな理不尽な結果を生むことになります。
■ 生命保険の活用
そこで、そうした弊害を回避できる退職金の積立て方法として考えられるのが 「生命保険」 の活用です。
「生命保険」は、中退共と違い、保険金の満期あるいは解約時にいったん会社がその満期金・解約払戻金を受取る契約形態を選択することができるため、お話のように不始末のあった従業員について、退職金の支給額をコントロールすることができます。
運用利回りについては、生命保険会社によりますが、概ね中退共と同レベルかこれを上回るものも見受けられ、中退共より有利な運用も可能と考えられます。
■ 積立方法の検討
新しい積立方法の組み立て方としては、例えば既存の中退共を掛金減額 (従業員の同意要) で継続しつつ、 (剣道園児さんの会社の退職金制度が確定拠出型であれば) 減額分の差額を会社が不始末従業員等に対する支給額のコントロール部分として生命保険での積立てに充てる折衷型、あるいは、不始末時の全額不支給を想定するのであれば、中退共を解約し、以降はすべて生命保険での運用に切り替える完全変更型などが検討対象となると思われます。
ただし、前者は掛金減額に従業員の同意が必要であり、後者の場合は、解約金が退職時同様従業員に直接支払われてしまう点等 (*) に留意が必要です。
補足
(*) 退職金の前払いは、一定の場合を除き、「給与」 として扱われることになり社会保険料負担が生じ、また税務上も「退職所得」とならず 「一時所得」 として取り扱われ 「退職所得」 より不利な課税となり、従業員の手取り額が大きく減少する可能性があることから、現実的な選択肢と言えるかは諸々の検討が必要です。
ご不明な点等ありましたらご遠慮くなくご質問。お問い合わせください。
今後ともAll About ProFileをよろしくお願いします。
評価・お礼
剣道園児さん
後藤 義弘様
親切、且つ分かりやすい回答ありがとうございました。やはり国の制度は融通がきかないものですね。それならそうと契約企業に情報を出すべきだと今でも悔しく思います。
生命保険はどんなタイプが適当でしょうか。生命保険会社の商品はかなり理解力が必要なものが多くてとまどいます。なにか厚かましいですが、よろしくお願いします。一応顧問(顧問というほどの顧問料は支払ってませんが。)の社会保険労務士さんに問い合わせましたが、返事がないのでAll About ProFileさんに質問しました。
本当にありがとうございました。
剣道園児
後藤 義弘
剣道園児 さま
ご丁寧なお返事と高い評価をいただきありがとうございます。
ご質問につきまして簡単ではありますが回答しておきます。
(1) 逓増定期保険
(2) 長期平準定期保険
(3) 養老保険
などが、退職金支給目的で一般的に利用される生命保険です。 (恐れ入りますが、詳しい内容については、その内容・税務上の取扱いの複雑さと紙幅の関係上、個別にお問い合わせください。)
あと、生命保険を利用するにあたって注意が必要なのは、中退共と違って、会社の損金になる保険料の範囲が異なる点です。
現在ご利用になられている中退共は、保険料拠出時にその全額が会社の損金になっていると思います。
ところが、生命保険利用時の保険料については、先述したように、保険契約者である会社がいったん保険金の満期 (解約払戻) 金を受け取ることから、全額会社の損金にならない (資産として計上する) ケースがあり、これが、反対に生命保険の中退共に対するデメリットと言えます。
概して言うと、(1) (2) については、一定の要件のもと、一定期間までは1/2ずつ損金と資産計上に分けるタイプ、 (3) については一定要件のもと、1/2ずつ損金と資産計上に分けるタイプで、中小企業でもよく利用されている生命保険の積立方法です。
(3) は、福利厚生プランなどと呼ばれ、死亡時あるいは満期時に同額の保険金を受け取ることができるもので、たとえば、従業員の退職時期に保険の満期が来るように設定し、その満期時に会社がいったん保険満期金を受取り、退職従業員に退職金を支給する、といった感じです。
また、従業員の死亡時には遺族に同額の保険金が支払われることになります。
ご事情の詳細が窺えず、これらの保険が剣道園児さんの会社のニーズに合うものかどうかはわかりませんが、退職金制度の見直しに際し、ご参考になれば幸いです。
株式会社ワイズクリエーション
後藤 義弘
このQ&Aの回答専門家
- 後藤 義弘
- (社会保険労務士)
- 代表取締役
『提案力』 『コミュニケーション力』 に自信アリ
中堅中小企業の頼れるアドバイザーとして経営上の広い課題に横断的に対応します。経営者との良い協働関係を通じ、常に有益なツールや情報をご提案し、会社利益に積極的に貢献するとともにお客様の満足を超えるパフォーマンスのご提供に全力を尽くします。
中退金でも退職金カットは可能ですよ
凄腕社労士 本田和盛です。
中退金制度ですが、懲戒解雇の場合、退職金カットは可能です。むろん退職金として今まで拠出したお金は返ってきませんが、従業員に支払われる退職金は使用者の意思でカットできます。
ただし全額カットはできません。マックス80%カットまでです。残りの20%は従業員に支払われてしまいます。
退職者の届出の書類の、懲戒解雇の所にマークし、さらに「減額する」いう項目にチェックを入れて中退金に送付すると、減額申請の書類が送られてきますので、懲戒解雇に至ったプロセスなどを記載して送り返すと、厚生労働省の方で審査して、退職金カットの割合が決まります。
100%カットできないのは、つらいですが、中退金はそれほど悪い制度ではないですよ。ちなみに80%カットは窃盗、横領などの刑罰犯の場合、50%カットは機密漏洩などの職務上の義務違反、30%カットは、無断欠勤などの職場規律違反での懲戒処分がなされた場合です。
評価・お礼
剣道園児さん
本田 和盛 様
回答ありがとうございました。 私が不勉強で、回答の内容は知らなかったです。
しかし、機構の方は電話で話したとき、何もアドバイスしてくれませんでした。
不親切ですねえ、役所の方は。
この件については再考します。
ありがとうございました。
このQ&Aの回答専門家
- 本田 和盛
- (千葉県 / 経営コンサルタント)
- あした葉経営労務研究所 代表
労働法と組織心理学に精通した「凄腕社労士」
私は経営者の片腕ではなく「凄腕」として、御社の人事・労務・組織に関わる諸問題を力強くサポートします。人と組織の問題でお困りの企業様は、どしどし私に質問して下さい。必ず納得のいく答えをお示しします。
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